こんにちは!スーパーの惣菜担当"ひこめ"です!
今回のテーマは「惣菜需要が急増中!:エンゲル係数が高くなると惣菜が売れるのはなぜ?!」です。
この記事では、スーパーの惣菜目線で以下の事が分かります!
- ・エンゲル係数って何?
- ・エンゲル係数と惣菜の関係性は?
- ・エンゲル係数が高い今、どういった商売をすればいい?
私について詳しいことは、こちらをご覧ください。
エンゲル係数とは?
例えば、「給料のうち30%を食費に使っています」という家庭なら、エンゲル係数は30%ということです。
直近のエンゲル係数は?
では、最近のエンゲル係数は?
過去30年間の日本のエンゲル係数と平均給与から一部を抜粋して比較してみます!
※平均給料は国税庁の「民間給与実態統計調査結果|国税庁:1年勤続者・1年未満勤続者の給与所得者数・給与額・税額(男、女、合計)」から
年度 | エンゲル係数(%) | 平均給与(万円) |
---|---|---|
1994 | 24.13 | 455.5 |
2004 | 23.05 | 438.8 |
2014 | 24.01 | 420.9 |
2024 |
29.30 (7月~9月期) |
433 (平均年収予想) |
データ出典:
エンゲル係数は1994年の24.13%から2024年には29.30%へと上昇しています。一方、平均給与は1994年の455.5万円から2024年には433万円(予想)と減少傾向にあります。
消費者物価指数とは違う?
「消費者物価指数」投資をしている人は良く聞く言葉かもしれません。
例えば、去年はリンゴ1個が100円だったのに、今年は120円になっているとします。このような変化を集計して、物価の全体的な動きを数字で表します。
エンゲル係数と消費者物価指数(CPI)は目的が異なります。
・エンゲル係数:家計内の食費の割合を測る指標。生活の余裕や収入の影響が反映される。
- ・消費者物価指数(CPI):食費だけでなく家賃や光熱費などを含む物価の変動を測る指標。
簡単に言うと、エンゲル係数は「収入に対する食費の比率」を、消費者物価指数は「物価そのものの変化」を見るものです。
惣菜とエンゲル係数の関係
エンゲル係数が上昇すると、「惣菜の需要が増える」それはなぜなのか、分析していきます!
- ①家計が節約志向に傾く:
- 外食よりも安価で、調理の手間が省ける惣菜は、忙しい家庭や高齢者世帯にとって非常に便利な選択肢です。
- 「衝動買い」から「目的買い」へのシフトが進み、買い物ついでに惣菜を買う習慣から、お昼ご飯や夕ご飯といった具体的な目的を持って選ばれるケースが増えています。
- ②共働き世帯が増加する:
- 料理の時間を確保するのが難しい現代、タイムパフォーマンス(タイパ)やコストパフォーマンス(コスパ)を重視する家庭が増えています。
- 手軽で栄養バランスの取れた惣菜は、忙しい共働き世帯にとって欠かせない選択肢となり、その需要が拡大しています。
- ③少量販売のニーズが高まる:
- 高齢者や一人暮らし世帯では、必要な分だけ買える少量販売の惣菜が大変人気です。
- さらに、家族でお弁当をシェアして食べる人が増えたことも少量販売へのニーズを後押ししています。
つまり、エンゲル係数が上がると、外食を減らしてコスパや手間を重視する家庭が増えるため、手軽で安価な惣菜の需要が高まるということですね!
これから惣菜はどうする?
エンゲル係数が高い今は、惣菜業界にとって絶好の売り時!
食費にお金を使う今こそ、攻める時です。現にエンゲル係数の高い今、惣菜の売上は伸びています。
出典:
スーパーマーケット統計調査(月次) « 一般社団法人全国スーパーマーケット協会
スーパーマーケット景気動向調査(2024年11月調査結果:10月実績)(2024年11月21日公表):スーパーマーケット販売統計調査 前年同月比(既存店)推移 2019年1月~
- ・価格帯の幅を広げる : プレミアム商品とお手頃価格の商品を並行して展開することで、
- ・新商品の展開 : こういう時こそ、個性的なアイテムが売りやすい!大盛り・〇〇だけ商品・不足カテゴリーのアイテムが売れてきます。
- ・ロス率を下げる = 支持されているアイテムが多い : アイテムの改廃をし、支持率の高いアイテムを売り場に残すことで、値引き・廃棄が減ります。
これらを意識することで、惣菜の売上は更に上がっていきます。
もし賃金が上がらなかったら、これからどうなる?
もし賃金が上がらず、エンゲル係数がさらに上昇した場合、どうなるでしょうか?
- ※私の予測です。
- ①消費者の選択肢が狭まる:食費を抑えるために、より安価な選択肢を求める動きが加速するかも。
- ②惣菜需要の二極化:一部の家庭は価格重視で購入し、他方では「少し高くても良いものを」という傾向が強まるかも。
- ③生活費の削減:食費の負担が増えると、他の支出(娯楽や水道光熱費)を節約し、消費動向にも影響を及ぼすかも。
-
こうした状況を回避するために、副業や投資で収入を増やしたり、家計の固定費を見直すなど、生活全体を再検討することが大切です。
まとめ
エンゲル係数の上昇は、惣菜業界にとって売上を伸ばすチャンスである一方で、消費者にとっては生活の厳しさを示しています。
30年前に比べ、食生活は多様化しましたが、家計の負担は大きくなっています。
今後、惣菜業界は「手軽で安価」だけでなく、「健康的で無駄のない商品」を提供することで、さらに多くの家庭に選ばれる存在になれるでしょう。