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【2025年1月】スーパーマーケット業界の売上動向:苦戦・好調だった部門はどこ?

2025年1月のスーパーマーケット業界動向!青果・惣菜が好調、畜産・水産は苦戦!

スーパーマーケット協会が毎月出している「スーパーマーケット統計調査」の1月実績が2月21日に出ていましたので、スーパーマーケット業界の最新動向について解説します。

www.super.or.jp


苦戦している部門はどこ?


食品の価格高騰が続く中で、どの部門が好調で、どこが苦戦しているのか?その理由は?

実際にスーパーで働いている私も、こういった状況は知りたいところ。全国と比べて、私のしている仕事が正しいのか、方向性が間違っていないか再確認も含め、確認していきます!

それでは、全国のスーパーマーケットの売上データとともに、詳しく見ていきます!

 


 

DI(Diffusion Index)とは?

この表を見る為には、DIというものを知らなくてはいけません。

(Diffusion Index)とは、前年同月と比べた改善・悪化の度合いを示す指標です。

DIの計算方法

評価 DIへの加算値
かなり改善 +0.5
やや改善 +0.25
変わらない ±0
やや悪化 -0.25
かなり悪化 -0.5

DIの評価基準

DI値 評価
20以上 かなり好調
10~20 好調
0~10 やや好調
-10~0 やや不調
-20~-10 不調
-20以下 かなり不調

例えば、2025年1月の青果DIは24.7なので「かなり好調」、水産DIは-2.0なので「やや不調」という判断になります。


 

【全国的な動き】

1. 全体の売上

  • 総売上高:1兆487億円(前年同月比+4.8%)
  • 食品合計:9687億円(前年同月比+5.2%)

2. 地域別の売上変化

地域 売上増減(前年同月比)
北海道・東北 +2.4%
関東 +6.3%
中部 +3.5%
近畿 +5.8%
中国・四国 +3.8%
九州・沖縄 +2.5%

【2025年1月のスーパーマーケット売上データ(速報版)】

以下は、2025年1月の各部門の売上詳細です。

こういった数字を見て、自分が働くお店と比べてどうなのか、確認します!

部門 売上高(万円) 前年同月比(全店) 前年同月比(既存店)
総売上高 104,875,248 104.8% 103.7%
食品合計 96,875,845 105.2% 104.0%
生鮮3部門合計 37,063,096 105.4% 104.0%
青果 15,423,503 110.4% 109.1%
水産 9,236,513 102.6% 101.2%
畜産 12,403,080 101.7% 100.3%
惣菜 11,411,569 106.3% 104.8%
日配 21,000,439 103.4% 102.4%
一般食品 27,400,742 105.9% 104.9%
非食品 5,698,726 100.3% 100.3%
その他 2,300,719 104.7% 103.1%

惣菜は昨年対比で106.3%、薄利多売になってる今、利益率の高い惣菜が伸びることは良いことです!

私が働くお店でも惣菜の売上は伸び、鮮魚、精肉を超える売上が出ています。他の生鮮(青果・畜産・水産)と比べ利益率が高いため、お店への貢献度は非常に高くなっています。


 

【部門別の動き】

では、「部門別の動きがどうだったのか?」見ていきます!

1. 青果(DI:24.7|かなり好調)

青果部門は、DIが24.7と高く、「かなり好調」の水準でした。
特に野菜の価格高騰が売上増加の大きな要因となっています。

✅ 好調の要因
  • 鍋関連野菜の需要増加:ネギ・白菜・キノコ類が特に好調。
  • カレー・シチュー用の根菜類が好調:冬場の定番、じゃがいも・にんじんが伸びた。
  • カット野菜の売上増:葉物野菜の価格高騰で、小分け販売が増加。
  • 果物(みかん・リンゴ・バナナ)が人気:特に国産柑橘類の売れ行きが良い。
⚠️ 不調の要因
  • サラダ関連野菜(トマト・レタスなど)の売れ行きが鈍化:冬場は温かい料理が好まれた。

2. 水産(DI:-2.0|やや不調)

水産部門のDIは-2.0と、わずかに「やや不調」となりました。
しかし、すべての魚が不調だったわけではなく、一部の魚種は好調に推移しました。

✅ 好調の要因
  • 刺身関連が堅調:特にまぐろの需要が高かった。
  • 鍋商材(タラ・牡蠣)が人気:冬の定番食材として売上増。
  • ぶり・アジが好調:豊漁の影響で入荷が安定し、販売が伸びた。
⚠️ 不調の要因
  • ウナギの価格高騰:高価格が影響し、消費が落ち込んだ。
  • シラスが水揚げ不足で品薄状態:価格が上昇し、手が届きにくくなった。
  • 魚卵・塩干物の売れ行きが地域差あり:不調な店舗が多かった。

3. 畜産(DI:-6.2|やや不調)

畜産部門のDIは-6.2で「やや不調」の評価となりました。
牛肉・輸入肉の価格高騰が影響し、全体的に消費が落ち込んでいます。

✅ 好調の要因
  • 鍋用の豚肉・鶏肉は好調:しゃぶしゃぶ・水炊き需要が伸びた。
  • 成人式・正月明けのイベント需要:一部ブランド牛の売上が増加。
⚠️ 不調の要因
  • 輸入牛肉の価格高騰が続き、消費が低迷:高価格で手が伸びず。
  • 国産豚肉の価格上昇も影響:家計負担が増し、販売減。
  • 鍋需要が水産(タラや牡蠣)にシフト:畜産の鍋商材が苦戦。

4. 惣菜(DI:12.2|好調)

惣菜部門はDI12.2と、「好調」な結果になりました。
価格高騰の影響で、食材を買って調理するより、惣菜を購入する人が増加 したことが要因です。

✅ 好調の要因
  • 青果・米の価格高騰で惣菜需要が増加:調理済みサラダや米飯惣菜(おにぎり・弁当)が好調。
  • 寒さで揚げ物・麺類が人気:コロッケ、唐揚げ、ラーメン、うどんなどの販売が伸びた。
⚠️ 不調の要因
  • 寿司の売れ行きが鈍化:寿司ネタの価格上昇により、消費者の購入が減少。

5. 日配(DI:-1.9|やや不調)

日配品はDI-1.9と、「やや不調」の結果になりました。

✅ 好調の要因
  • おでん・鍋関連の日配食品が好調:豆腐、練り物、漬物などが冬場の定番商品として売上増。
  • 機能性ヨーグルトの売れ行きが良かった:インフルエンザ流行の影響で免疫機能を強化する食品が人気。
⚠️ 不調の要因
  • パン類は価格上昇の影響で販売減:家計の節約志向が影響し、購入を控える動きが見られた。
  • 冷凍食品の価格上昇が影響:利益確保が難しく、売上も伸び悩み。

6. 一般食品(DI:4.8|やや好調)

一般食品はDI4.8と、「やや好調」でした。

✅ 好調の要因
  • 米が大幅に売上増:価格高騰や供給不足の報道により、買い溜め需要が発生。
  • ホットメニュー関連食品が好調:鍋つゆ・スープ類の売上が伸びた。
  • 菓子類の回復傾向:家での消費増加により、買い上げ点数が増加傾向。
⚠️ 不調の要因
  • 高単価の酒類が不振:家計の節約意識が強まり、アルコール消費が減少。
  • 前年の地震による備蓄食品の反動:特需がなくなり、売上が減少。


 

【まとめ】

2025年1月のスーパーマーケット業界は、青果と惣菜が好調だった一方で、畜産や水産はやや苦戦する結果となりました。

青果は鍋野菜や根菜の需要増加により売上が伸び、惣菜は価格高騰の影響で自炊よりも購入する消費者が増えたことで好調でした。

一方、畜産は輸入牛肉の価格高騰が影響し、水産ではウナギやシラスの価格上昇が売上減につながりました。

また、日配や一般食品の一部でも価格高騰が販売に影響を与えました。地域別では関東・近畿エリアの売上が特に好調で、地域差も見られます。

今後は、消費者の節約志向に対応した価格対策や、惣菜・米飯商品の強化、PB商品の拡充が求められるでしょう。スーパーマーケット業界は、変化する消費動向を見極めながら、柔軟な戦略を打ち出すことが重要になりそうです。