2025年2月のスーパーマーケット業界動向!青果・一般食品が好調、惣菜も健闘、水産は苦戦!
スーパーマーケット協会が毎月出している「スーパーマーケット統計調査」と「景気動向調査」の2月実績(2025年3月21日公表)が出ましたので、スーパーマーケット協会の動向ついてまとめました。
今、スーパーで好調な部門は?
米や青果の価格高騰、鍋需要の高まりなどが影響し、売れるものとそうでないものが分かれた2月。
私たち現場で働く者にとっても、自店の売上や戦略が全国と比べてどうなのかを知ることはとても大事です。
では、2月のスーパーマーケットの売上やDIデータを詳しくチェックしていきます!
DI(Diffusion Index)とは?
売上や景気の「感覚」を数値化したもの、それがDIです!
DIの計算方法
評価 | DIへの加算値 |
---|---|
かなり改善 | +0.5 |
やや改善 | +0.25 |
変わらない | ±0 |
やや悪化 | -0.25 |
かなり悪化 | -0.5 |
DIの評価基準
DI値 | 評価 |
---|---|
20以上 | かなり好調 |
10~20 | 好調 |
0~10 | やや好調 |
-10~0 | やや不調 |
-20~-10 | 不調 |
-20以下 | かなり不調 |
たとえば2025年2月の青果DIは22.9なので「かなり好調」、水産DIは-10.6なので「不調」と判断できます。
【全国的な動き】
1. 全体の売上
- 総売上高:1兆150億円(前年同月比+3.2%)
- 食品合計:9387億円(前年同月比+3.5%)
2. 地域別の売上変化
地域 | 売上増減(前年同月比) |
---|---|
北海道・東北 | +3.1% |
関東 | +3.9% |
中部 | +4.3% |
近畿 | +3.2% |
中国・四国 | +4.7% |
九州・沖縄 | +0.5% |
【2025年2月のスーパーマーケット売上データ(速報版)】
以下は、2025年2月の各部門の売上詳細です。
引き続き惣菜は好調のようです。水産、畜産は下落。やはり価格高騰の影響が出ているのかもしれませんね…。
部門 | 売上高(万円) | 前年同月比(全店) | 前年同月比(既存店) |
---|---|---|---|
総売上高 | 101,506,857 | 103.2% | 102.3% |
食品合計 | 93,879,604 | 103.5% | 102.7% |
生鮮3部門合計 | 35,650,207 | 104.0% | 102.6% |
青果 | 15,122,593 | 108.2% | 107.1% |
水産 | 8,674,408 | 97.3% | 96.0% |
畜産 | 11,853,206 | 99.4% | 98.1% |
惣菜 | 10,927,014 | 102.6% | 101.6% |
日配 | 20,236,938 | 101.2% | 100.5% |
一般食品 | 26,743,156 | 104.8% | 104.0% |
非食品 | 5,492,587 | 97.5% | 97.4% |
その他 | 2,217,946 | 100.6% | 99.7% |
【部門別の動き】
では、「部門別の動きがどうだったのか?」見ていきます!
1. 青果(DI:22.9|かなり好調)
寒波の影響で野菜高騰中。必要最低限で住むカット野菜の動きがいい。
野菜高調中は、惣菜の生野菜・練り物サラダの需要も高まります。
- ネギ・白菜など鍋野菜が好調
- キノコ類・カット野菜が価格安定で人気
- 根菜(じゃがいも・にんじん)も好調
- 果物(みかん・りんご・バナナ)も堅調
- イチゴは入荷状況により動きが分かれた
2. 水産(DI:-10.6|不調)
恵方巻きの予約販売が比較的好調。降雪など天気に恵まれなかった地域もありました。
- タラ・牡蠣など鍋関連が引き続き好調
- カニ類は前年の反動で回復傾向
- 海藻類・味付け加工品は即食ニーズで堅調
- 天候不順で入荷不安定
- しらす・いかなご不漁
- うなぎ・魚卵・塩干類は高騰により不調
3. 畜産(DI:-5.5|やや不調)
豚肉は国産豚の価格が上昇中。
- 鶏肉は鍋需要で好調
- 牛肉は切り落とし・小間切れが堅調
- ハムなど加工肉に回復傾向
- 全体的な相場高が継続
- 豚肉は国産価格上昇で伸び悩み
4. 惣菜(DI:4.5|やや好調)
なかなか衰えを知らない惣菜。需要は右肩上がりです。ただ物価上昇により価格改定がが進み、少し高く感じるものも増えてきました。利益確保は私も悩んでいるところ。特に寿司・米飯で利益確保が難しくなってきました。早くコメの金額が下がってほしいですね・・・。
- 米・青果の高騰により惣菜の代替需要が上昇
- 揚げ物・麺類など温かい惣菜が好調
- 寿司・サラダはやや苦戦
- 恵方巻は天候や曜日の影響も
5. 日配(DI:-0.2|やや不調)
野菜高騰により、冷凍野菜・冷凍食品の需要増加中。
- 豆腐・練り物・冷凍野菜などが堅調
- 卵は単価上昇で売上維持
- 洋日配(牛乳・デザート)が不調
- パン類は価格上昇で販売減
6. 一般食品(DI:10.4|好調)
レトルト米飯の需要が増加。バレンタイン需要は年々減少しているが、今年は手作り用商材の動きが良かったようです。今年のチョコレートは高かったですもんね…。
1月には「たけのこの里・きのこの山」も準チョコに変更したニュースもありました。
- 米が高騰+報道で買いだめ需要
- レトルト米や鍋つゆなどホットメニュー関連も好調
- コーヒー・お茶も冬の需要で売上増
- 酒類・飲料の動きが鈍化
【まとめ】
2025年2月のスーパーマーケット業界は、青果・一般食品が堅調、惣菜も善戦という結果に。
逆に水産・畜産・日配では相場高や天候不順が影響し、やや不調な部門も見られました。
消費者の購買意欲DIは減少しつつも、物価上昇による客単価増とホットメニュー需要で売上を確保した印象です。またどの部門でも、必要最低限のものを求めるお客さんが増えているように感じます。
現に、カット野菜・冷凍食品・レトルト食品・惣菜など適量な食品が伸びています。
自店の売場改善や仕入れ戦略の参考に、こうした月次データをぜひ活用していきましょう!