「18週ぶりのお米の値下げ!でも安心はまだ早い?」
ついに、お米の価格が少しだけ下がりました。
実はこれ、18週ぶりの値下がり!
でも、安心するのはまだ早いかも…。理由を分かりやすく解説していきます!
- 18週ぶりにお米の価格が下がった!
- 販売数量は?売れてるの?
- 政府が発表した「高値の原因」
- 農家への「概算金」が上がってる!?
- 主な地域の2025年産 概算金(抜粋)
- 概算金が上がるとどうなる?
- まとめ:まだまだ気は抜けない
18週ぶりにお米の価格が下がった!
これまでずっと上がり続けていたお米の価格が、ようやく少し下がりました。
- 先週(4/21~4/27):4,233円/5kg
- 今週(4/28~5/4):4,214円(▲19円・▲0.4%)
とはいえ、去年の同じ週は2,106円。つまり、今もまだ2倍の価格なんです…。
グラフ:スーパー販売価格の推移
※グラフは農林水産省「米の需給動向」およびKSP-SP提供のPOSデータに基づき、筆者が再構成・作成したものです。
販売数量は?売れてるの?
売れています!しかも去年より増えています。
- 4/14~4/20:+14.9%
- 4/21~4/27:+18.0%
- 4/28~5/4:+14.5%
グラフ:販売数量の前年同期比
※グラフは農林水産省「米の需給動向」およびKSP-SP提供のPOSデータに基づき、筆者が再構成・作成したものです。
去年の同じ週と比べても、大きく上回っているのが分かります。(折れ線)
おコメの価格が上がっているのに去年より売れてるのが不思議ですね。
POSデータによると、 「まだ値上がりするかも」と思って買いだめしている可能性がある!?
メディアでも「お米が高騰」「過去最高値」などと報道。消費者が「今のうちに買っておこう」と思い、買い込み需要が発生してるかも!?
➡ 現在のPOSデータからは、ここ数週間の販売数量が前年よりも大きく伸びていることが分かります。これは「価格が下がる前に買っておこう」という消費者心理や、自宅での自炊が増えていることが背景にあると考えられます。
政府が発表した「高値の原因」
農林水産省は、米価格が高い理由として次の3つを挙げています。
- パンや麺など、他の食品がもっと高いから相対的にお米が選ばれている
- インバウンド(訪日外国人)や外食の回復で需要が増えた
- 猛暑・干ばつの影響で精米できるお米が減った(精米歩留まりの低下)
農家への「概算金」が上がってる!?
「概算金(がいさんきん)」とは、JAが農家にお米の出荷前に前払いするお金です。
2025年産米では、全国的に概算金が引き上げられています。
概算金とは?
農家は収穫後にJAにお米を売りますが、その前に「だいたいこのくらいで売れるよ」と前払いでお金を受け取るのが「概算金」です。
主な地域の2025年産 概算金(抜粋)
地域・品種 | 2025年 概算金/目標価格 | 備考 |
---|---|---|
新潟・コシヒカリ | 32,000円(目標) | 集荷競争が激しい |
秋田・あきたこまち | 24,000円(ベース) | 前年より引き上げ |
福井・コシヒカリ | 22,000円(最低保証) | 農家支援の安定策 |
大分・ヒノヒカリ | 23,000円(最低保証) | 集荷力強化目的 |
概算金が上がるとどうなる?
1. 農家のやる気が上がり、生産量が増える
- 「高く売れそうなら、作付けを増やそう」と考える農家が増えます。
- 特に米どころでは、作付け面積や出荷量が増えるきっかけになります。
- 米の供給が将来的に増えやすくなり、価格が下がる可能性も出てきます。
2. 一方で「高値が前提」の市場になりやすい
- JAが高めに設定した概算金に合わせて、流通業者も「高値で買い取る前提」で動きます。
- 結果として、市場全体が「高めの価格水準」で固まりやすくなります。
- つまり、米価の高止まりにつながるということです。
3. 消費者への影響:価格が下がりにくくなる
- 農家の生産コストが高くなれば、当然ながら売値も高くなります。
- 結果的に、スーパーで買うお米の価格がなかなか下がりません。
- 消費者にとっては「高値のまま」が続きやすくなる可能性があります。
まとめ:まだまだ気は抜けない
- 18週ぶりに価格が下がったけど、まだ高い
- 販売量は増えている=需要は強い
- 農家への前払い(概算金)が上がっている=価格も高止まりかも
(この記事は農林水産省・JA資料・POSデータに基づいて作成しました)