2025年4月のスーパーマーケット業界動向!一般食品・惣菜が好調、青果は急落も健闘!
スーパーマーケット協会が公表した「スーパーマーケット統計調査」「景気動向調査」の2025年4月実績(5月21日発表)をもとに、最新の売上・DI動向をまとめました。
売れている部門、苦戦している部門は?
今年の4月は「コメ高騰」がキーワード!代替商品が伸びていて、一般食品・惣菜は堅調。
一方、青果は一品単価が落ち着いたことで買上点数は増えたものの、全体DIは急落…。
現場としても価格動向や気温に左右される売場づくりが本当に難しい月でした。
それでは、2025年4月のスーパーマーケット業界の全体動向を一緒に見ていきましょう!
DI(Diffusion Index)とは?
売上や景気の「感覚」を数値化したもの、それがDIです!
DIの評価基準
DI値 | 評価 |
---|---|
20以上 | かなり好調 |
10〜20 | 好調 |
0〜10 | やや好調 |
−10〜0 | やや不調 |
−20〜−10 | 不調 |
−20以下 | かなり不調 |
【全国的な動き】
1. 全体の売上
- 総売上高:1兆680億円(前年比 +5.1%)
- 食品合計:9833億円(前年比 +5.6%)
2. 地域別の売上変化
地域 | 売上増減(全店・前年比) |
---|---|
北海道・東北 | +4.2% |
関東 | +6.7% |
中部 | +4.6% |
近畿 | +4.8% |
中国・四国 | +5.4% |
九州・沖縄 | +0.3% |
【2025年4月のスーパーマーケット売上データ(速報版)】
以下は、2025年4月の各部門の売上詳細です。
部門 | 売上高(万円) | 前年同月比(全店) | 前年同月比(既存店) |
---|---|---|---|
総売上高 | 1,066,846,080 | 105.1% | 103.7% |
食品合計 | 983,356,810 | 105.6% | 104.1% |
青果 | 147,232,520 | 104.1% | 102.7% |
水産 | 87,722,560 | 100.8% | 99.1% |
畜産 | 122,846,620 | 103.9% | 102.2% |
惣菜 | 115,527,870 | 105.6% | 103.9% |
日配 | 216,670,830 | 104.8% | 103.5% |
一般食品 | 293,356,400 | 109.2% | 107.8% |
非食品 | 58,529,720 | 97.6% | 97.4% |
その他 | 24,960,000 | 103.2% | 102.8% |
【部門別の動き】
DIの動きと一緒に、現場で感じたことも交えて解説していきます!
1. 青果(DI:12.3|好調)
価格は落ち着いたけど、やっぱり野菜は食卓の主役。点数は増えてます!
- 寒暖差の影響で根菜(じゃがいも・にんじんなど)がよく動き、煮物やスープ需要にマッチ
- 価格が安定しているキノコ類は、主菜にも副菜にも使いやすくて支持率◎
- カット野菜は、共働き・高齢世帯に人気。最近は種類も増えていて選ばれてます
- 果実ではイチゴが入荷安定+値ごろ感あり!バナナ・キウイも定番として強い
- キャベツ・レタスなど葉物は単価が下がり、売れても利益が出にくい状況に…
- サラダ系野菜(トマト・きゅうりなど)は気温の影響もあり、日によって動きに波が
2. 水産(DI:-6.2|やや不調)
刺身の動きが読めませんね…天候や相場に左右されっぱなしです。
- 海藻(もずく・わかめ)や味付き商品は健康志向・簡便志向とマッチして売れ筋に
- 冷凍焼き魚・調理済商品など「温めるだけ」の簡単調理系が引き続き支持されてます
- ブリ・ホタテは価格が上がり、特売や販促がしづらくなって苦戦
- シラス・いかなごなど春魚は不漁が続き、売場の演出も難しかったです
- うなぎ・魚卵・塩干物は高騰継続。日常使いには向かず売上が伸び悩みました
3. 畜産(DI:4.1|やや好調)
豚と鶏でやりくりするお客様が増えてきました。牛肉はやっぱり厳しいですね…。
- 焼肉用セットや炒め物用の小間切れ・切り落としが週末を中心に好調
- 豚肉は国産が高止まりで輸入品へシフト。家庭用としては“十分”という声も
- 味付け肉(焼肉ダレ・塩こうじ・にんにく醤油など)が便利すぎて大人気!
- 牛肉は相場高騰が続き、特にステーキ・すき焼き用など高単価帯が動かず
- 鶏肉もじわじわと値上がり、唐揚げ用などは量目を減らしてしのぐ展開に
4. 惣菜(DI:14.1|好調)
「ごはん炊くの面倒」「家で揚げたくない」そんな声が増えてる今、惣菜はやっぱり強い!
- コメ高騰で「炊かない派」が増加。寿司・弁当・おにぎりの需要が高水準
- 花見シーズンでオードブルや揚げ物バスケットが大活躍!週末中心に伸長
- 揚げ物は特にロースカツ・唐揚げ・天ぷらなどが好調。高単価でも満足感◎
- サラダ系惣菜は青果相場の落ち着きで家庭調理に回帰。売上に影響あり
- 原材料費・包材費が上がり、値上げせざるを得ない→客数は増えても利益率が厳しい
5. 日配(DI:3.5|やや好調)
「あと1品どうしよう…」ってときに助けてくれるのが日配品!でも、動きは読みにくいです。
- 卵は高値ながら「必需品」として安定。1パックあたりの単価も底支えに
- チルド麺、豆腐、納豆は“安くて手軽”の代表格!家庭内調理ニーズにヒット
- パン類はコメ高騰の影響で、特に食パン・ロール系の売上が上向き
- 気温の乱高下で冷凍野菜やアイスの動きが安定せず、仕入れが難しい
- ヨーグルトは好調だけど、嗜好の差が大きく、在庫管理に苦戦
- 競合との価格競争が激化!特にPB商品や特売品の出し方で差が出てます
6. 一般食品(DI:19.1|好調)
やっぱり「保存がきく」「すぐ食べられる」「安い」は正義ですね!
- コメ価格高騰で備蓄需要が再燃。レンジ米飯・もち・雑穀米もセットで動いてます
- パスタ・乾麺・インスタント麺は“買い置きOK”の強みで安定的に好調
- 菓子は価格訴求型(98円~128円ゾーン)が人気。まとめ買いも目立ちました
- インスタントコーヒーは値上げ後でも根強い。朝食需要にフィット!
- 飲料は低温の影響で、炭酸・清涼飲料系が伸び悩み
- 調味料はドレッシング・和風だし系で苦戦。単価高&動きが読めず難しい
- 酒類(特にビール・チューハイ)は4月値上げの反動で鈍化しました
7. 非食品(DI:-5.1|やや不調)
価格よりも「必要性」で選ばれる部門。動きがある商品と、そうでない商品がハッキリ分かれました。
- 花粉対策関連(マスク・除菌)は引き続き堅調。タイミング次第でまとめ買いも
- キッチン用品・掃除用品は「春の入れ替え」で売上が動いた店舗も
- 衣料品・文具・玩具などは値上げの影響もあり、動きが鈍化
- 美容・医薬系はドラッグストアとの価格差が響きやすく、競合負けが目立った
- 単価が高く、売上の波が大きいため、在庫調整が難しい
【まとめ】
2025年4月のスーパーマーケット業界は、全体としては堅調な売上推移となりました。
📌 4月のポイント3つ
- ① コメ高騰を起点に惣菜・一般食品・チルド麺など代替品が好調
- ② 気温低めでホット系食材や根菜、鍋・煮物素材の需要が維持
- ③ 消費者の財布のひもはやや締まりつつあり、PB・簡便・少量がカギ
💡 売場づくりのヒント
「なにを安くするか」ではなく、「なにを“選ばれやすく”するか」が大事!
- 組み合わせ提案(例:惣菜+即席スープ+カットフルーツ)で“1食完結型”の売場を
- 青果は点数を伸ばしつつ粗利を守る価格帯を意識した「二段構え」が◎
- 非食品は「特設棚+チラシ連動」で価格訴求を明確に。週替りで“選ばれる理由”を作る
今後も物価上昇が続く見込みの中、お客様の“選ぶ理由”を明確に示す売場作りが求められます。
6月は梅雨入りと共に体調管理系や冷感グッズの動きも強まりそうです。