ナフサ不足で日本はどうなる?サランラップ・TOTOトイレ・食品包装まで広がる影響を解説

最近、ニュースで何かと話題になっている「ナフサ不足」。
正直、聞き慣れない言葉なので「それって私たちに関係あるの?」と思う方も多いはずです。
ですが、ナフサはプラスチックや包装材、ゴム製品などの原料になるため、決して他人事ではありません。
たとえば、食品包装、ラップ類、医療用手袋、住宅設備、塗料、接着剤、ゴム製品など、私たちの生活に身近な商品にも影響する可能性があります。
とはいえ、不安をあおるような憶測は入れません。
この記事では、公式発表・調査資料・報道で確認できる事実だけを、わかりやすく整理していきます。
今回は、帝国データバンクが公表した調査資料をもとに、ナフサ不足で日本はどうなるのか、解説していきます!
- ナフサ不足で日本はどうなる?サランラップ・TOTOトイレ・食品包装まで広がる影響を解説
- そもそもナフサって何?
- ナフサ不足で何が起きているの?
- サランラップはなぜナフサ不足と関係するの?
- TOTOのトイレやお風呂への影響は?
- 医療用手袋にも影響。政府が備蓄を放出へ
- 公式発表がある企業の動き
- ほかに影響が出やすいもの
- まとめ
そもそもナフサって何?

ナフサとは、原油を精製するときにできる石油製品のひとつです。
わかりやすく言うと、ガソリンに近い成分を持つ液体ですが、主な使い道は車の燃料ではなく、モノづくりの原料です。
このナフサを熱して分解すると、エチレンやプロピレンなどの基礎化学品が作られます。
そこからさらに、プラスチック、合成ゴム、包装フィルム、洗剤の原料、接着剤、塗料など、さまざまな製品につながっていきます。
つまり、ナフサは私たちの生活用品を支える“見えないスタート地点”のような存在です。
たとえば、身近なところでは次のような商品に関係しています。
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食品トレー・食品包装フィルム
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ラップ類
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ビニール袋・ゴミ袋
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医療用手袋・衛生手袋
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住宅設備の樹脂部品
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接着剤・塗料
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自動車部品・ゴム製品
そのため、ナフサが不足すると、原料価格の上昇や製品の品薄、納期遅れなどが起こりやすくなります。
ニュースで「ナフサ不足」が注目されるのは、生活に近い商品まで連鎖的に影響する可能性があるからです。
ナフサ不足で何が起きているの?
帝国データバンクの資料では、ナフサ関連製品を直接・間接的に仕入れる製造業は、全国で4万6,741社とされています。
これは、集計対象となった製造業の30.4%にあたります。
つまり、ナフサ不足は一部の会社だけの問題ではなく、製造業のかなり広い範囲に関係する話です。
資料では、自動車部品、ハンバーガー包装紙、コーヒーフィルター、食品用フィルム、ゴム製品、塗料、接着剤などにも関係すると説明されています。
サランラップはなぜナフサ不足と関係するの?

先日、共同通信配信の記事で、旭化成の工藤幸四郎会長が、原油価格高騰やナフサ供給不安を背景に「サランラップの値上げは避けられない」との認識を示したと報じられました。
ただし、現時点で、サランラップそのものが作れなくなるという公式発表は確認できていません。
ですが食品用フィルムや包装材は、ナフサ由来の合成樹脂と関係しています。
そのため、「サランラップも危ないの?」と気になる人が出てくるのは自然ですが、現時点では“なくなる”わけではなく、値上げや供給負担への懸念が出ている段階と見るのが正確です。
TOTOのトイレやお風呂への影響は?
TOTOは、2026年4月10日に公式サイトで、中東情勢の緊迫化により、原油・ナフサをはじめとする石油化学基礎原料の供給環境が悪化していると発表しています。
また、2026年4月13日の公式発表では、システムバス・ユニットバスについて、一部の部材不足により、現在の受注方法での受注見合わせを行っていると説明しています。
ですが、2026年4月15日のTOTOの公式発表では「TOTOのトイレが全部止まった」とは書かれていません。
発表には「現在、通常通り生産・出荷は継続しております。」と書かれており、問題なく供給されているのが分かります。
医療用手袋にも影響。政府が備蓄を放出へ
ナフサ不足の影響は、医療現場にも関係しています。
ロイター報道によると、政府は2026年4月16日、国が備蓄している医療用手袋を、2026年5月から5,000万枚放出すると表明しました。
医療用手袋には、ニトリル手袋やPVC手袋などがあります。これらは石油化学製品と関係するため、ナフサ不足の影響を受ける分野として見られています。
公式発表がある企業の動き
ナフサ関連で公式発表が確認できる企業として、プライムポリマーがあります。
プライムポリマーは、2026年4月21日にポリエチレンとポリプロピレンの価格改定を発表しました。
対象は、同社のポリエチレンとポリプロピレンです。価格改定幅は、現行価格に対して+9円/kg以上とされています。
理由として、中東情勢の緊迫化によるエネルギーコストの上昇、原料供給制約の中で安定供給を維持するための製造コスト上昇が挙げられています。
ポリエチレンやポリプロピレンは、包装材やプラスチック製品に広く使われる素材です。
ほかに影響が出やすいもの
帝国データバンクの資料では、ナフサ関連取引の割合が高い業態として、化学工業、石油・石炭製品製造、ゴム製品製造、パルプ・紙・紙加工品製造などが挙げられています。
具体的には、接着剤、界面活性剤、工業用ゴム製品、塗工紙、重包装紙袋などです。
身近なものに置きかえると、食品包装、紙袋、コーヒーフィルター、ハンバーガー包装紙、塗料、接着剤、ゴム手袋、食品用フィルムなどが関係します。
こうした時に気をつけたいのが買いだめ・大量購入です。
コロナ禍でも、マスクや消毒用品が一時的に品薄になりましたが、需要が急激に集中したことも大きな要因でした。
必要以上の買い込みが増えると、本当に必要としている人や現場に届きにくくなることがあります。
今回も、落ち着いて情報を確認し、必要な分だけ購入することが、供給の混乱を防ぐ行動につながります。
まとめ
ナフサは、プラスチック、ゴム、フィルム、接着剤、溶剤などのもとになる原料です。
そのため、食品包装、ラップ類、医療用手袋、住宅設備、塗料、接着剤など、生活のいろいろな場所に関係しています。
ナフサ不足は、これからの暮らしや仕事にじわじわ関係してくる可能性があります。
ですが不安をあおるのではなく、正しい情報を見ながら、必要な備えをしていきたいですね。
