
渋谷区で、2026年6月1日からポイ捨てをした人から2,000円の過料を徴収する新しいルールが始まりました。
ニュースでは「罰金」と聞こえやすいのですが、正確には刑事罰の罰金ではなく、行政上の制裁金である「過料」です。とはいえ、その場で支払いを求められる仕組みなので、かなり強いルールに変わったと見てよさそうです。
正直なところ、きれいになるならポイ捨てに関する条例はあっていいですよね。私も職場の駐車場で家庭ごみが捨てられているのを見たり、惣菜のパックがその辺に落ちている光景を目にしたりするので、「またか…」と感じることがあります。
渋谷のポイ捨ては2,000円の過料に

渋谷区は「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」を改正し、2026年6月1日からポイ捨てへの過料適用を始めました。対象は渋谷区内全域で、私有地も含まれます。
巡回員がポイ捨て行為を現場で確認した場合、その場で2,000円の過料を徴収します。対象になるごみは、たばこの吸い殻、缶、瓶、ペットボトル、容器包装、チューインガム、包装紙、袋、印刷物など、散乱しやすいものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開始日 | 2026年6月1日 |
| 対象エリア | 渋谷区内全域。私有地も対象 |
| 個人の過料 | ポイ捨てを現認された場合、2,000円 |
| 支払い方法 | 原則その場で支払い。現金のほか、キャッシュレス決済にも対応 |
支払い方法について、渋谷区の公式Q&Aでは「原則、その場での現金徴収」と説明されています。6月1日更新の概要資料では、クレジットカード、交通系IC、二次元コード決済(PayPayなど)にも対応するとされています。
では、支払わなかった場合はどうなるのでしょうか。渋谷区は、未払いの場合には税金と同じように滞納処分などで対応すると説明しています。軽い注意だけで終わるルールではない、ということですね。
お店にはごみ箱設置の義務もある

今回のルールで気になったのが、お店側のごみ箱設置です。対象エリアは、渋谷・原宿・恵比寿の一部地域。飲食料を販売する店舗は、販売した飲食料から出るごみを回収するためのごみ箱を、利用者が捨てやすい場所に設置し、適切に管理する必要があります。
対象になる例として、コンビニ、スーパー、ドラッグストア、カフェ、ファストフード、パン屋、キッチンカー、クレープ・ケバブ・タピオカなどの路面店が挙げられています。テイクアウトがあるお店は、かなり広く関係してきそうです。
お店側のポイント
ごみ箱未設置や不適切な管理があっても、いきなり5万円を取られるわけではありません。渋谷区が勧告・命令を行い、改善しない場合に事業者名などを公表したうえで、5万円の過料となります。
自動販売機についても、飲食料を販売するものは渋谷区内全域で回収容器の設置が義務付けられています。こちらも改善命令に従わない場合は、5万円の過料の対象です。
なぜ渋谷でポイ捨て対策が強化されたのか

渋谷区によると、背景にはコロナ禍後の来街者増加と、ポイ捨てごみの急増があります。これまでも啓発活動やボランティア清掃は行われていましたが、それだけでは美しい環境を維持するのが難しくなってきた、という説明です。
区の資料では、2025年5月26日の調査で、歩道100mあたりのポイ捨てごみが渋谷駅周辺で271個、原宿駅周辺で74個、恵比寿駅周辺で64個だったとされています。数字で見ると、思った以上に深刻ではないでしょうか。
もう一つ見逃せないのが、費用負担の考え方です。渋谷区は、来街者が出したごみの処理費用を区が負担すると、結果的に区民の負担が大きくなると説明しています。そのため、購入者には「自分のごみは自分で持ち帰る」「買った店舗のごみ箱に捨てる」ことを求め、販売した商品から出るごみは店舗側も責任を持って回収する、という考え方です。
私は、この制度は継続してもらいたいなと思います。もちろん、巡回する人も、店舗でごみ箱を管理する人も大変です。でも、家庭ごみや惣菜パックが道端に落ちているような状態を、誰かが黙って片付け続けるだけでは限界があります。
街がきれいになるなら、ポイ捨てへのルールはあっていい。渋谷だけの話ではなく、私たちの暮らしの近くでも考えたい制度ですね。
参考:渋谷区「渋谷区ポイ捨て禁止ルール」、渋谷区「渋谷区ごみ箱ルール」、渋谷区「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」概要資料、FNNプライムオンライン「渋谷区のポイ捨て過料」報道