節約のデリ

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実は儲かる!?スーパーの大盛弁当の秘密:利益がでる売上アップ戦略

こんにちは!料理愛好家のひこめです!

私はスーパーの惣菜で15年以上働くベテランチーフです。

簡単な自己紹介です!

◎惣菜歴15年以上
◎5年間で売上120%UP!!
◎毎月5万円貯金(投資)
◎月10万円生活実践中
◎節約レシピ考案

そんな私の今回のテーマは、「意外と売れる!?スーパーの大盛弁当の秘密:利益がでる売上アップ戦略」です!

スーパーマーケットの惣菜コーナーで、大盛弁当を見たことはありますか?

私のいる惣菜コーナーでは、必ず「ご飯の大盛り弁当」「特大(シェア)サイズのお弁当」を出すようにしています。

2年程前から始めた企画でしたが、やればやるほど、この大盛弁当がよく売れるんです!実はこの「大盛弁当」お店にとっても、お客さんにとっても大変メリットがあります。

今回は、その秘密を教えちゃいます!

大盛弁当を出す秘密:なぜスーパーの惣菜で売れるのか?

一般的なお弁当の量ときっかけ

スーパーのお弁当は、一般的に1パックあたりの量が450g~600g程度です。

しかし、体を動かす仕事をされている方々には、この量だと物足りない場合が多いようです。

お弁当を陳列していると、”お弁当+〇〇”を買う人が意外と多く、申し訳ない気持ちになりました。

「一つのお弁当で済めば、満足度が上がるかもしれない!」

そうして、「ご飯大盛り弁当」「特大サイズのお弁当」を出すようになりました。この変更が、お客様の満足度を一気に上げることに繋がりました。

 

ご飯を大盛にするだけで、顧客満足度は上がる!?

プラス100円で、ご飯を400gに変更!

最初は、ご飯を大盛りにすることだけ行いました。もちろん、本部から許可をもらい、全てのお弁当や丼を「1種類につき1パックご飯を大盛り」にしました。

量は、通常の200gのご飯から → 400gのご飯にすることにしました。金額は100円アップしました。

初めて1か月は毎回残ってしまいましたが、2か月経つと、「ご飯の大盛り」弁当の動きが格段によくなりました。そして1年経つと、1種類につき1パックのご飯大盛りでは足りなくなりました。


結果、ご飯の炊飯量は1日30kgから40kgに増え、多い時で50kgのご飯を消費するようになりました。お弁当の売れる数も増え、150食の販売から250食程度の販売量まで増やすことができました。

ご飯400gのチキンカツカレー本体価格598円(税込み645円)

 

意外と売れるシニア層の需要

そして思った以上に買われていたのが、シニア層でした。「夫婦でシェアして食べると、割安でさらに、惣菜を1品買ってもお弁当2個買うより安い」ということで、お客様の中でも、工夫した買い物をしているようでした。

閉店間際までご飯の大盛りを残すことで、夜間のお客様も増えました。あるお客様からは、「ここは“ご飯の大盛り”をやっているから、お腹が膨れるんだよ~!」と、この量に満足しているようでした。

 

大盛弁当を超えた「シェア盛り」

ご飯大盛りを定着させた、次の1年は「特大サイズのお弁当」を出すことにしました。
ご飯400gのお弁当がよく売れる今なら、お弁当や丼の2倍盛りも売れるかもしれません。

 

特大弁当が出来るまで

試しに、2倍盛りを出しました。1か月やりましたが、なかなか売れず、サイズ変更をすることにしました。

ご飯を800g+おかず2倍にして売ってみました。そうすると、驚くことに1日で6~10パック売れるようになりました。そうなると種類も欲しくなり、日替わりで6種類を常時出すようになりました。

「2024年現在も売っている商品」
左:国産鶏の鶏天丼 真ん中:焼きおにぎり12個 右:バーガーセット

問い合わせから誕生した「シェア盛り」

そうして、売れ行きを見ていると買ってるのが、ファミリー層のお買い物はもちろんのこと、このお弁当を食べきるのか挑戦する方も現れました。

時には、「食べきれない!」とお問い合わせもあったため、名前を大盛弁当や特盛弁当から「シェア盛り弁当」と名称を変更したところ、問い合わせもなくなり、安定した売上を作ることができるようになりました。

2024年現在のシェア盛り弁当1パック999円(税込み1,078円)

売れば売るほど儲かる大盛弁当

大盛弁当は原価高騰の味方

大盛弁当を売ると儲からないイメージがあると思いますが、実は、普通のお弁当を売るより利益が出ています。

前提条件として、惣菜コーナーは値入率で50%ないといけません。

以下に、過去に書いた記事を載せるので、惣菜の利益について知りたい方はお読みください。

setuyaku-souzai.com


最初にあげた「ご飯大盛り」は通常弁当にプラス100円で、ご飯が200g増量されます。

ご飯の原価は、米の原価が5kg1500円だとすると、炊飯後のご飯の原価は200g30円となります。そのため、値入率は70%になります。

例えば398円のお弁当の原価は199円前後です。通常値入率は50%となりますが、ご飯を大盛にすると、お弁当の原価は229円となり、売価は498円です。

そのため、計算式は、

(売価498円 - 原価229円) ÷ 売価498円 = 値入率(×100)で54.01%

となります。

つまり、通常値入率は50%なのに、ご飯を大盛りにすることで利益は54.01%まで増やすことができます。

売れば売るだけ、利益が出て、顧客満足度も上がるというWin-Winな関係を築くことができます。

 

ロスが出ても利益が出る!?

さらに、このご飯大盛り弁当が売れず残った場合、値引きしても利益が残ります。

(売価498円 × 20%引き - 原価229円) ÷ 売価498円 = 値入率(×100)で47.71%

となります。
20%引きしているのに、利益がこれだけ残るなら十分な値入率だと言えます。

 

まとめ

ご飯大盛り弁当、シェア盛り弁当は、お店にとってもお客様にとっても、価値のある売り方です。
スーパーの惣菜コーナーで、取り扱っていないところはまだまだあると思いますが、一部スーパーでは、デカ盛りや、ギガ盛り、メガ盛りなど展開しています。

これを全国のスーパーで、大きいスーパーや小さいスーパー関係なく展開することで、惣菜コーナーに満足度を高める効果があります。

なので、もし売上に伸び悩んでいる惣菜コーナーの担当者や、弁当屋さん、惣菜屋さんは、お試し頂きたいと思います!