節約のデリ

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スーパーの惣菜の原価率・値入率・荒利率のバランス

こんにちは!料理愛好家のひこめです!

私はスーパーの惣菜で15年以上働くベテランチーフです。

簡単な自己紹介です!

◎惣菜歴15年以上

◎5年間で売上120%UP!!

◎毎月5万円貯金(投資)

◎月10万円生活実践中

◎節約レシピ考案

そんな私の今回のテーマは「15年の惣菜経験から学んだ:原価率・値入率・荒利率のバランス」です!

惣菜のブログを書いるといくつかアクセスの多いキーワードが分かってきました。

「原価」「利益」「スーパー」と世の中気になってる人が意外と多いんだな~!と分かりました。

そこで今回は、具体的に原価率・値入率・荒利率についてお話していきます!

 

1.惣菜ビジネスで必要な計算

まずは、商品の構成比を値入率から求めていきます!

今回は分かりやすく売上予算を100万円/月とした時、イン加工品・アウトパック品・寿司部門の3つに分けて考えていきます。

原価率の最適化

一般的なイン加工品の値入率は約50%です。アウトパック品は約35%程度で、PB(プライベートブランド)があるところは40%を超えているようです。寿司部門は原価高騰の観点から45~50%とします

この中で利益の少ないアウトパック品の構成比を何%にするかが結構大事になってきます。このアウトパックの売上構成比を25%以内で収めて、ロス率を15%程度に抑えると、最終的な荒利率は37.3~38.5%程度出すことができます。

文字だけだと分かりずらいと思うので、表にしてみます。

少し難しいですが、大事なのはアウトパックの構成比を25%にした時、荒利率は38.50%でしたってことです。

 

アウトパックの構成比変更による効果

ここからアウトパックの構成比を20%まで下げてみます。

※値入率は変更せず構成比だけを変えた結果

アウトパックの構成比を20%まで減らしたら、荒利率は39.27%でした

荒利率が上がりましたね!

値入率の低いアウトパック売上構成比を下げることで、同じ100万円の売上でも利益を最大限に延ばすことができます。

惣菜担当者はこれを毎月・半月・毎週・毎日把握しながら計画を練っているわけです。

 

2.カテゴリー別の管理の仕方

難しいことはありません。

例えば、米飯のカテゴリだけでどれだけの値入率があるか計算することができます。

この計算の仕方は相乗積を使います。

相乗積とは?

相乗積は、売上構成比×値入率=相乗積です。これで出てきた相乗積を最後に足してやれば、そのカテゴリの値入率が分かります。

言葉では難しいので、シンプルな表にしてみます。

品目 原価 売価 値入率 製造数量 製造金額 構成比 相乗積
A弁当 250 500 50.00% 10 5,000 24% 12.20%
B弁当 200 380 47.37% 10 3,800 19% 8.78%
C弁当 150 280 46.43% 10 2,800 14% 6.34%
D弁当 220 390 43.59% 10 3,900 19% 8.29%
Eおにぎり 35 100 65.00% 50 5,000 24% 15.85%
        90 20,500 100% 51.46%

上記の表だと、A弁当からEおにぎりまでの相乗積を足したのが、51.46%です。

これらのお弁当を作ると51.46%の値入率がありますよ。という事です。

 

相乗積計算の重要性

もし相乗積を求めず、やったらどうでしょう?

1.の項目でイン加工は50%程度の値入率が必要だと書きました。この表だと50%以上の値入率があるのは、A弁当とEおにぎりしかありません。

B弁当・C弁当・D弁当は50%以下の利益しか出ませんが、A弁当とEおにぎりを増やすことでイン加工で必要な値入率50%をクリアしています。

 

そういった自分の仕事が正しいのか確認するために、相乗積は大変大事な計算だと言えます。

 

3.値引きと利益の違い

「売価を10%値引きするのと利益が10%減るのは違う!」

はい、何言っているか分からないですね。私も最初何を言っているのか分かりませんでした。荒利率50%で10%ロスが出たら荒利率は40%じゃないの?と…。

原価 売価 荒利率 ロス率 値引後売価 値引後の荒利率
50円 100円 50.00% 10% 90円 44.44%
(売価ー原価)÷売価=値入率 売価×(100%-ロス率)=値引後売価 (値引後売価ー原価)÷値引後売価=値入率

基本的に荒利率を求めるときは、(売価ー原価)/売価=値入率で求めます。

以前の記事「スーパーの惣菜の原価率って実際どれくらい?」で書いたように、最終的に43~47%値入率があればいいので、値引き後44.44%の荒利率であれば許容範囲内となります。

値引き販売・特売販売する際は、どこまでが許容範囲なのか、この計算式で荒利率を決めて特売をかけます。この時、何パック売って、何円儲かるのか計算に入れると素晴らしいです。

 

4.まとめ

このブログでは、スーパーの総菜部門において原価率・値入率・荒利率を最適化するための実用的な情報を提供していこうと思います。

単なる数値や計算式だけでなく、時にはその担当者のセンスも要求されることもありますが、基本的な数値が分からないと特売をかけることや、商品開発は出来ません。

適切な数値コントロールが出来ると、少ない労働時間で最大限の利益を残すことができます。ロス率が少なければ、無駄な仕事をしないで済みます。

 

仕事の効率化のためにも数値は理解し、最小限の労働で利益を最大化させましょう!