
ついに、完全養殖ウナギが一般向けに販売されます。
山田水産は2026年5月20日、水産研究・教育機構、マリノフォーラム21と連名で、完全養殖ウナギ蒲焼の試験販売を発表しました。販売開始は2026年5月29日から。山田水産の公式オンラインショップなどで販売される予定です。
完全養殖ウナギとは?

普段「養殖ウナギ」として食べているものの多くは、天然のシラスウナギを捕まえて、それを養殖池で大きく育てたものです。つまり、完全に人工的に一生を管理しているわけではありません。
一方、完全養殖は、親ウナギから卵を取り、ふ化させ、人工的にシラスウナギまで育て、そのウナギを成魚にする流れです。天然のシラスウナギに頼らない点が大きな違いです。
なぜウナギの完全養殖は難しいのか
ウナギ養殖が難しい理由は、シラスウナギを人工的に大量生産するのが非常に難しかったからです。ウナギの仔魚は小さく、初期のエサや飼育環境の管理が難しいとされてきました。
農林水産省の特集でも、2010年に水産総合研究センターが世界で初めて完全養殖に成功した一方で、技術やコスト削減には課題が多いと説明されています。つまり、研究として成功しても、食卓に届く価格と量で販売するには、長い時間が必要だったわけです。
価格と買える場所は?
今回販売される商品名は「山田のうなぎ完全養鰻」。内容量はギフト箱2尾セットで、山田水産公式オンラインショップでの予定販売価格は9,720円(税込)+送料です。
販売期間は5月29日からで、規定数量に達し次第終了。公式オンラインショップのほか、築地の店舗などでも販売される予定です。
正直なところ、日常的に買える価格ではありません。でも、天然シラスウナギに頼らないウナギが実際に販売されることは、資源保護や将来の安定供給に向けた大きな一歩です。
安定供給されればウナギの未来も明るい!
今回の完全養殖ウナギ、まずは試験販売です。すぐにスーパーのウナギが安くなる、という話ではありません。
ただ、人工シラスウナギの生産が安定し、コストが下がっていけば、将来は天然資源に頼りすぎないウナギ供給につながる可能性もあります。
国産のウナギを求めている人は一定数います。スーパーの現場感覚でも、価格だけでなく「国産かどうか」を気にして選ぶお客様は少なくありません。
完全養殖ウナギが今後さらに普及し、スーパーでも手に取りやすい価格で並ぶようになれば、「国産を選びたい人」と「ウナギ資源を守りたい未来」の両方にとって、大きな意味のある一歩になるのではないでしょうか。
参考にした情報
・山田水産「完全養殖ウナギ蒲焼の試験販売のお知らせ」
・農林水産省「特集2 鰻」
・サイエンスポータル「ウナギの完全養殖に成功」