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唐揚げ専門店の倒産が半減した理由とは?鶏肉高騰で100g218円の時代へ

唐揚げ専門店の倒産が半減。その裏で見えてきた“価格の壁”

今日のテーマは『唐揚げ専門店の倒産が半減。その裏で見えてきた“価格の壁”』です。

※帝国データバンク「唐揚げ店の倒産動向(2025年1〜11月)」をもとに、スーパー惣菜チーフの現場目線でまとめています。

今の唐揚げ専門店の実情

唐揚げ専門店の倒産件数はピーク時から半減していますが、その裏側では 鶏肉価格の高騰100g200円という価格の“壁”が、現場を静かに追い詰めています。 私のいるスーパーでも、ついに唐揚げとお弁当の値上げに踏み切らざるを得ませんでした。

唐揚げ専門店の倒産件数が減ってきた!

唐揚げ専門店の倒産件数が、ようやく落ち着きを見せています。帝国データバンクの調査によると、2025年1〜11月の倒産件数は12件

 

過去最多だった2023年の27件から半分にまで減り、市場は「ブーム」から「定着」のフェーズに入ってきたと言われています。

 

ただ、数字だけを見ると安心しそうになりますが、現場にいると少し違った景色が見えます。 鶏肉、油、人件費、パック代……。どれもじわじわ、時にはぐっと一気に上がっていきます。

惣菜コーナーで毎日仕込みをしていると、「これはまだ大丈夫かな」「どこまで値段を守れるかな」と、ずっと計算しながら仕事をしている感覚です。

 

今日は、データだけでなく、スーパー惣菜チーフとしての経験も交えながら、

「倒産が減った唐揚げ専門店の今」と「その裏で進む価格の壁」についてお話ししていきます。


 

唐揚げ専門店の倒産が半減した理由

※写真はイメージであり、実在の店舗・商品とは関係ありません。(AI生成)

コロナ禍の頃、唐揚げ専門店って一気に増えましたよね。テイクアウトしやすくて、オペレーションもシンプル。 個人店から大手チェーンまで一斉に参入し、市場は一時期“唐揚げ戦国時代”のような状態でした。

その反動もあって、2023年には倒産件数が27件とピークに達します。そこから2年で12件まで減ったということは、急激なブームのなかで淘汰が進み、 「残るお店」と「去るお店」が、ある程度ふるいにかけられたとも言えます。


 

ブームから“定着”への移行

生き残った唐揚げ専門店は、小容量パックの導入や、味へのこだわりをSNSで発信するなど、 固定客やリピーターづくりに力を入れてきました。

ただ安くたくさん売るのではなく、「ここの唐揚げじゃないと」という理由をつくる方向に舵を切っているイメージです。

 

その結果、「勢いだけのブーム」は落ち着き、「好きな店の唐揚げをリピートする」流れが少しずつ定着してきたのかなと感じます。


 

鶏もも肉の仕入れ値は7〜8年で2倍以上

※写真はイメージであり、実在の店舗・商品とは関係ありません。(AI生成)

とはいえ、原価の上昇は待ってくれません。私のいるスーパーでは、今、鶏もも肉の仕入れが1kg730円前後です。 惣菜歴が長いのでどうしても昔と比べてしまうのですが、7〜8年前は1kg300円台でした。 ほぼ2倍以上まで上がっている計算です。

 

これに漬け込みだれ、衣の粉、油、パック代、ラベル代、そして人件費がのってきます。 そうすると、唐揚げを100g218円で売っても、惣菜としては本当にギリギリのラインです。

 

100g218円でも利益はギリギリ

うちの店では、長く100g168〜178円で手作り唐揚げを出していました。 近年の物価高でも、なんとか工夫しながらこの価格を守ってきたのですが、 さすがにこの冬は厳しくて、12月から100g218円に値上げする決断をしました。

 

スーパーの惣菜の値入率(荒利率)は50%が原則。多少値入率を下げても43%が限界です。これ以上下がると利益を得ることが難しくなってきます。


 

帝国データバンクの調査が示す壁|100g200円という“価格の分岐点”

※写真はイメージであり、実在の店舗・商品とは関係ありません。(AI生成)

帝国データバンクのレポートでは、唐揚げの価格が100g200円台になると、 「急に売れなくなる」という声も出ていると指摘されています。

調査のなかで、「100g200円」がひとつの“価格の分岐点”として扱われているのが印象的でした。

レポートのグラフを見ると、鶏肉や食用油の価格は2020年を100とした指数で明らかに上がっていて、 唐揚げ1パックの価格もじわじわ上昇しています。

それでも、お客さまのお財布事情には限りがあるので、「値上げしないでほしい」という気持ちもよく分かります。


 

スーパーの現場では何が起きている?

値上げをした日、お客さまが唐揚げのコーナーの前で少し立ち止まるのが分かりました。 「あれ、前は178円じゃなかった?」というひと言に、胸の奥がちくっとする瞬間もあります。

それでも、原価を考えると、ここで止まってしまうとお店全体の利益にもひびいてしまいます。 惣菜チーフとして、従業員のシフトや売場の盛りつけを考えながら、 同時に「この価格でお客さまに納得してもらえるか」ということも、ずっと考え続けています。


 

お弁当も50〜100円UPへ

実際に販売しているお弁当399円→450円へ

鶏肉の値上げは、お弁当にも影響してきます。 うちのスーパーでは、近年の物価高にも耐えて、ずっと399円のお弁当を続けてきました。

「この価格なら手に取りやすいよね」とお客さまにも喜ばれていたので、できればそのままにしたかったんです。

 

でも、鶏肉もおかずも、すべての原価が上がるなかで、ついに450円〜のお弁当に切り替えることになりました。 値上げ幅は50円〜100円

数字だけ見ると小さく感じるかもしれませんが、 日々のお昼ごはんに使う金額としては決して軽くないですよね。

値札を書き換えながら、「それでも選んでもらえるお弁当にしよう」と、 彩りや盛りつけ、味つけのバランスをスタッフみんなで話し合いました。


 

生き残る店舗がしていること|小容量・食べ応え・SNSの工夫

※写真はイメージであり、実在の店舗・商品とは関係ありません。(AI生成)

帝国データバンクのレポートでも、生き残っている唐揚げ店は小容量サイズの拡充や、 ムネ・モモ比率を工夫した「食べ応え」の訴求SNSでの情報発信などを進めていると紹介されています。

 

私のいるスーパーでも、「今日はちょっとだけ食べたい」という方に向けて少量パックを増やしたり、 若いスタッフと一緒にSNS用の写真を撮ったりと、できる範囲で工夫を続けています。

同じ値上げでも、「ここまでやってくれているなら買おうかな」と思ってもらえるかどうかが大事だと感じています。


 

リピーターをどうつくるか

最終的に、お店を支えてくれるのリピーターです。 「あそこの唐揚げが好き」「お弁当の味つけがちょうどいい」と思ってもらえるようになると、 多少の値上げがあっても、通い続けてくれる方が増えていきます。

 

だからこそ、値段だけで勝負するのではなく、 味、接客、清潔感、そしてちょっとした声かけや一言メモなど、 小さな工夫を積み重ねていくことが、これからはますます大切になってくると感じています。


 

これからの唐揚げ専門店はどうなる?

※写真はイメージであり、実在の店舗・商品とは関係ありません。(AI生成)

倒産件数だけを見ると、唐揚げ専門店の世界は少し落ち着きを取り戻しつつあります。ブームのなかで増えすぎた店舗が整理され、「このエリアにはこれくらいの数でちょうどいい」というバランスに近づいているのかもしれません。

 

ただ、原価が大きく下がる気配はまだ見えませんし、 食品スーパーやコンビニの惣菜コーナーも唐揚げの品ぞろえを強化しているので、 競争自体が終わることはなさそうです。


 

 

まとめ

唐揚げ専門店の倒産件数は、ピークだった2023年から半減しました。 それは、ブームのなかで進んだ淘汰が一段落し、「好きなお店の唐揚げを選ぶ」時代に入ってきたというサインでもあります。

 

しかし、その裏側では、鶏肉価格の高騰や100g200円という“価格の壁”が、静かにお店を追い詰めています。 

これからも、現場の目線で感じたことや、数字の裏側にある空気感を、 この「節約のデリ」でお伝えしていけたらうれしいです。